これは4年くらい前、配達中にお客さんに神対応されて、涙腺崩壊した話です。
ウーバーイーツを始めて、半年くらいは、1万円台の安い自転車で、配達をしていました。
東京は坂が多く、立ち漕ぎで、体力を奪われ、すぐにバテてしまっていました。
そんな状態なので、雨の日だと、路面が滑ったり、カッパを着なければいけないので、余計にやる気がでなくて、まったく配達をしませんでした。
夏、真っ只中のある日。
正午くらいから、いつものように安い自転車で、配達していました。
開始から3時間くらいで、バテてしまって、そろそろ終わりにしようと思っていたところ、雨がポツポツ降ってきました。
1件配達を取ってしまっていたので、終わらせてから、帰ろうと思いました。
商品をピックし、目的地に向かいました。
3㎞くらの距離だったのですが、小雨だったのが、途中からゲリラ降雨のような、土砂降りになってしまいました。
雨が下着にまで侵入し、髪の毛もびしょ濡れになり、丘の上にあるマンションだったので、坂を漕いでヘトヘトになり、身も心もボロボロになっていました。
配達先は、閑静な住宅街のマンションでした。
バックから取り出す際に、お弁当が入っていたビニール袋が、雨に当たって濡れてしまいました。
持っていたタオルも雨で、濡れてしまっていて、拭き取る事ができません。
オートロックを通り、部屋のチャイムを鳴らしました。

お待たせしました。すみません雨で商品が濡れてしまいました。
申し訳ございません。

あー雨すごかったもんね!
大丈夫、大丈夫。
もしかしたら、怒られてしまうくらい、濡れてしまったので、ホッとしました。

ありがとうございました。
立ち去ろうと、したら、

ちょっと待ってて。
呼び止められました。
「やっぱり怒られる?キャンセルかな?」と思っていると、タオルとペットボトルのお茶を持ってきてくださいました。

返さなくていいのでこれで拭いてください。
あとこれ、飲んでください。
雨の中ありがとうございました。
予想外の心遣いに、呆然としてしまいました。
お礼を言って、外を出ると、まだ雨が降っていました。
そのまま濡れながら帰っていたら、涙が溢れてきました。
「なぜあんなに、見ず知らずの配達員に優しくできるのだろう?」
と考えましたが、多分、余裕があったり、元からそういう方なのでしょう。
家に帰り、シャワーを浴びて、スマホを見たら、その方からチップが送られていました。
私も、そのくらいの余裕が欲しいし、優しくなりたいと強く思いました。
この出来事が、心の隅っこに、ずっと残っています。
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